Project UDON (Universal Design for the Online Network) はオンライン・ネットワークメディアのユニバーサルデザインのために、Web制作者、サーバーエンジニア、ブラウザ開発者など色々な立場から考えアプローチしていくことを目的として活動します。
WebにおけるユニバーサリティーをW3Cの提唱するあるべき姿を念頭に置きながら、現実的なアプローチで解決していくためのプロジェクトと位置づけます。
デザイナーとエンジニア、ブラウザ開発者等が一体となって、これまでとは少し違ったやりかたで課題を解決していきたいと考えています。
ユーザビリティとアクセシビリティの違いは共通の目標に向けたステップ(段階)の違い
オンラインメディアのユニバーサルデザインを語るにあたって、アクセシビリティとユーザビリティという言葉が類似語のように用いられることがありますが、両者は同一の目的に向けた言葉ではあっても少し意味合いが違います。
- 「Accesible(アクセス可能)」であることはデータにアクセスするための最初のステップであり、「Usable(使える、使いやすい)」ことはさらに情報接近性(Accesibility)を高める
- 「障害者にもアクセスできること」だけでなく「障害者にも同等に使いやすい」状態が求められる(音声ブラウザにもユーザビリティが必要)

アクセシブルな「データ」は「情報」になり、ユーザビリティを高めることで「メッセージ」になる
「データ」を適切に構造化・マークアップし、オンライン上に置くことで「データ」は「情報」になります。さらに、情報をわかりやすくし(表現)、使いやすくすることによって「情報」は「メッセージ」になります。

もちろん、「データ」を「メッセージ」にするためにはアクセシビリティ/ユーザビリティ以外にも「表現」という重要な要素が残っていますが、公開されるデータは最低でも適切に「情報」化し、あらゆる環境下でアクセスできるよう設計する必要があます。つまり、「データが"情報"として誰にでもアクセスできる状態にあること」こそが、オンライン・ネットワーク・メディアのユニバーサルデザインの第一歩であると考えます。
Webのしくみ・構造から解決のヒントを探る
「コンテンツ制作者がアクセシビリティ・ガイドラインに準拠した制作をする」だけでは、状況は改善こそすれ根本的な解決には至らないでしょう。なぜならWebでは情報がユーザーに届くまでのすべての工程をコントロールすることは不可能だからです。
- Webでは情報がユーザーに届くまでのすべての工程をコントロールすることは不可能
- UAの不完全な実装は制作者に負担をかけてきた(Netscape4.xの例は顕著)
- 音声ブラウザもまだまだ発展途上
- それがたとえ音声ブラウザであっても特定のUAに依存するページづくりは一時的な対処法
- UAの現状を見る限り完全な標準化、「ワンソース・マルチユース」はまだ現実的でない
- 構造と見栄えを完全に分離しても、各メディアに最適なものをつくるのは困難で制作者負担が大きい(そもそも視覚系UAと音声系UAでは最適な構造は違うかもしれない)
- オーサリングツールは(その殆どが)視覚をベースに組み立てていくため、制作者は内部構造を把握しにくい(逆に把握しにくいことがウリになっていたりする)
- 発注者も制作者も「ユニバーサリティ」「アクセシビリティ」という視点で評価をしてこなかった(評価したくても評価するためのノウハウやしくみが無い)
情報がユーザーに届くまでの段階に応じて取り組む、あるいは普及啓発を図る
データが情報化されてからユーザーに届くまでのすべての経路を考慮して解決の糸口を探ることが不可欠だと考えています。
- それぞれの過程でできることを考える
- 互いの実装状況をにらみながら、最終的には共通のガイドラインにベクトルをあわせる
- 協調することで互いの負荷を軽減する(補完しあう)
- 評価・検証を行う第3者機関を整備すべき
- 取り組みは優先度をつけて迅速に
- できるだけW3Cの勧告、技術を用いる
当面は優先度が高く取り組みやすいところから取り組む
- オンラインメディアのユニバーサルデザインに関するWebサイトによる情報発信
- メーリングリスト等による情報交換
- セミナー開催やイベントへの参加
- ユーザー補助ソフトウェアの開発と提供
- Web制作者向けソフトウェアの開発と提供
- Webサーバー向けソフトウェアの開発とオンラインサービスの提供
将来的にはさらに様々なテーマについて検討していく
- UAの情報を中心とした各段階の情報のまとめと共有
- オープンソース・コミュニティとの連携
- 行政への働きかけ
- ユーザー側の「声」の発信
- JIS規格への適合性チェックを目的とした第三者機関の設立に関する検討